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津田青楓 雨滴聲

2020.10.17  兄ブログ NEW

秋の長雨の時期ですね。

津田青楓による書の扁額です。

「雨滴聲」雨の滴の声

今日の雨のように軒先からメトロノームのリズムのように垂れ落ちる雨音は何故か心を穏やかにしてくれます。

「老聾亀人九十六翁」と記してあるように青楓が96歳の時に揮毫したものです。

京都の華道の家元の子として生まれ若くして洋画を学ぶなどアカデミックな環境の中で育った青楓ですが文豪・夏目漱石に愛された画家でもありました。

『道草』や『明暗』などの装丁を手がけたり漱石に絵を描く手ほどきもしています。実際、私が見るかぎり漱石の遺した絵画の多くは青楓による影響が色濃く残っているように感じます。

漱石の没後、プロレタリア運動に傾倒し小林多喜二への虐殺を描いた『犠牲者』を発表し警察に検挙・留置されるなど青楓は自由を求めて時代に対峙し続けた人でもあります。

あらためてこの書を見ると、さまざまにな経験をしてきた結果辿り着いた自然をあるがままに受け入れ楽しむ青楓の境地が感じられます。これは熊谷守一の書にも共通していて興味深いです。

この書を傍に置いて青楓や守一の境涯に近づけるよう精進したいと思います。

宝鑑美術ではこのような書の作品の他、絵画・骨董・版画など広く美術品の査定・買取を行なっております。お気軽にご相談くださいませ。

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